2017年9月10日、ホテルマイステイズ新大阪コンファレンスセンターにおいて第2回統合医療生殖学会(第41回子宝カウンセラーの会)が開催されました。今回は統合医療生殖学会恒例の先生方による症例報告もありご好評をいただきました。講演内容の抄録は子宝カウンセラーの会出席者に配布される会報にありますので、ここでは会の雰囲気を少しでも感じていただければと思いレポートします。
■プログラム
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第1部 医学博士 邵輝先生 「子宝漢方 不妊治療は清熱利水で炎症を抑える」
このタイトルを見た時、「清熱利水って何?」「不妊治療と炎症がどうして関係あるの?」というのが一般的な反応だと思います。子宝カウンセラーの会には不妊治療に携わって10年以上になる先生や漢方の講師をされている先生も多くおられますが、不妊治療を始めて間もない先生や東洋医学はよくわからないと言われる先生もおられます。そして、「漢方は難しそう…」とためらう先生にこそ聞いてほしいのが邵先生の講義です。「あの難しそうな言葉はそういうことだったのか!」と東洋医学の敷居が一気に下がります。
不妊治療をしている場合、「炎症」というと子宮や卵巣の炎症がまず思い浮かびますが、アレルギー、歯周病、アトピー性皮膚炎、喘息、リウマチ、蓄膿症なども妊娠や排卵に影響を与えます。なぜなら、妊娠も一つの炎症だからです。体の中に長期間炎症があると免疫の活性が高くなります。精子は女性の体にとっては異物ですから、免疫活性が高すぎると排除されてしまいます。今の患者さんに炎症が起こりやすい理由を東洋医学的に考察し、症例を交えながら使用した漢方や飲み方など具体的にお話しいただきました。
第2部 富山大学医学部医学科教授 医師 白木公康先生 「母子の健康のために 性感染症と母子感染」
エボラ出血熱のアビガン錠や帯状疱疹のアメナメビルの開発者として各メディアで大きく報道されたので、白木先生をご存知の方は多いのではないでしょうか。他にも突発性発疹、インフルエンザの発熱機構、葛根湯の作用機序、帯状疱疹の疫学と痛みの機序などで多くの実績を残されています。
性感染症は妊孕性だけでなく、赤ちゃんにも影響が及びます。母子感染も含めて、感染したらどのような症状が出るのか、どう治療するのか、どう感染を予防するのかについて詳しくお話しいただきました。自分がかかっていなければどこか遠い話に思ってしまう性感染症ですが、性感染症になるとどうなるのかという白木先生のスライドが半端ではありません。「気を付けないと!」「治さないと!」と本気で思います。淡々と説明される白木先生とのギャップがさらにじわじわきます。
考えさせられたのが「性感染症はパートナーも同時に治療しないといけないので難しい。どちらが外からもらってきたのかという問題がある」という言葉です。確かに病院では治療はしてくれますが、パートナーにどう話を切り出すかは実際にお客様と話をするカウンセラーの先生方に託される大きな課題であると思います。
第3部 スガヌマ薬局 薬剤師 菅沼真一郎先生 「不妊で悩むお客様のための薬局」
スガヌマ薬局は明治4年11月30日創業。菅沼先生は5代目を務めておられます。地元では老舗の中の老舗ですが、看板にあぐらをかくことはありません。菅沼先生がカウンセリングで一番大切にしていることは「お客様をらくにすること」です。「相談していただけることに感謝してよく聞きます」という菅沼先生は、疾患については3点にまとめてシンプルに説明し、養生法も必ず話すと言います。想定される状況を事前に何度もシミュレーションし、うまくいかないところは見直して改善するということを継続されているのは、カウンセリングの質を落とさないためと言われます。
なにより、菅沼先生の「私の人生の目標は『妻が一番』です」という言葉にお人柄が表れています。マザー・テレサも言っています。「愛は家庭から始まります。自分が、自分の家庭が愛に満たされなければ隣人を愛せません」。菅沼先生がお客様を大事にする気持ちは案外こういうところから生まれているのかもしれません。
第4部 症例パネルディスカッション
今回は第2回統合医療生殖学会が同時開催されたので、各先生方の症例報告がありました。症例報告は会場にパネルも用意されていますが、私は各先生が実際に話されるのを楽しみにしています。というのは、例えば不妊治療に同じたんぽぽ茶ショウキT-1を使っていても、なぜたんぽぽ茶ショウキT-1を使うのかという切り口が先生ごとに本当にいろいろで、「そういう言い方ができるんだ」「そういう考え方があるんだ」と気づきをたくさん得ることができるからです。
また、普段、お客様を相手に話されているだけあって、間の取り方や強調のされ方、聞きやすいスピード、感じのよい言葉の選び方、服装やしぐさ、質問への切り返し方など、今度自分が話す時に参考になることが見つけられます。症例はもちろん参考になるのですが、実際に話される先生方からは症例以上のことをたくさん学ぶことができます。わざわざ勉強会に参加するメリットは、言葉にならない情報を五感で感じることができるところにもあると思います。今回発表頂いた症例は以下の通りです。ご登壇いただいた先生方、本当にありがとうございました。
■兵庫県 英ウィメンズクリニック内サプリメントサポートセンター 山口庸仁先生 「不妊症患者に対するたんぽぽ茶ショウキT-1使用後の『冷え症改善』アンケート調査結果から読み取れる妊娠率の改善」
■岡山県 アオキ薬局 青木正人先生 「御主人、奥様ともに43才 待望のナチュラルでの妊娠報告症例」
■千葉県 みゆ己薬局 長岡美裕紀先生 「子宮外妊娠と卵管片方切除を乗り越え妊娠」
■宮崎県 くすりの麗明堂 金丸幸市先生 「AIH 9回の後の自然妊娠」
■大阪府 萬育堂薬房 橋本実沙樹先生 「体外受精と顕微授精を繰り返した後の自然妊娠」
■兵庫県 サツマ薬局 小室敏美先生 「AMHが低い奥様と精索静脈瘤のご主人様の妊娠」
■静岡県 漢方の寺岡薬局 寺岡健先生 「AMH低値の方の妊娠報告」
■株式会社徳潤 野崎利晃先生 「アセチルコリン誘発カテコールアミン分泌に対する松節抽出物成分阻害効果の検討」
第5部 萬育堂薬房 橋本実沙樹先生 「温灸・カッサ講座 ダイエット」
今回はダイエットをテーマに足三里、天枢、血海のツボとその使い方をご紹介頂きました。橋本先生は普段から子宝カッサと温灸を活用し、外治と内治を併用して子宝相談に応じておられます。
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次回、第42回子宝カウンセラーの会は以下の開催予定となっています。
ご参加のお申し込み、お問い合わせは一般社団法人子宝カウンセラーの会までお気軽にお問い合わせください。皆様のご参加をお待ちしています。
第42回子宝カウンセラーの会のお知らせ
日時: 2017年12月10日
10時~15時30分(開場9時30分)
場所: ホテルマイステイズ新大阪コンファレンスセンター 2F
プログラム(予定):
第1部 医学博士 邵輝先生
第2部 美馬レディースクリニック 医学博士 美馬博史先生
第3部 漢方の山川自然堂 薬剤師 山川純正先生
第4部 日本国際中医薬振興会指定国際薬膳師講座 早川敏弘先生
第5部 温灸・カッサ講座